|
にじますカップに参加される選手の皆さんへ、今大会のジャッジ等にたずさわれるボランティアの人たちに、どうかねぎらいの気持ちを表してください。
彼らは何時間も同じ場所で審査し、そこから動くことが出来ないのです。その間皆さんのためにずっと集中していなければならないのです。
なのに、彼らは誰かに表彰されるわけでもなし、スポットライトを浴びるわけでもなし、レースが終わって楽しそうに過ごす選手の姿を横目で見ながら、雨の中、風の中、炎天下の中で彼らはずっとレースが終わるまで耐え続けなければならないのです。
これはとてもきつい事です。辛いことです。
でも、彼らがいないと、決してレースは成立できないのです。ある意味彼らこそ競技会における優勝者よりも讃えられるべき存在です。
しかし、ジャッジの判定を巡ってクレームに訪れる選手の皆さんは毎年後を絶ちませんが、一体何人の方が競技が終わった後にでも「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるなど彼らの労をねぎらう行動をされているでしょうか。
私は今年、スラローム日本選手権及びNHK杯という大きな大会のゲート審判をさせて頂くという栄誉を戴きました。
しかしながら、現実は雪の中、風の中、照り返しの中、長時間過ごさなければならないものであり、いきなり見たことも無い機械を操作させられるストレス、寒い、暑い、喉が渇いた,おなかがすいた、トイレに行けない、見ず知らずの選手から「俺は触っていない、何を見ていた!」と怒鳴られる、等々大変辛いものでした。そして何よりも驚いたのは、このようなメジャーな巨大大会ですら支えるスタッフが慢性的に不足しているという現実でした。
最近全国で楽しいカヌーのイベントが少なくなってきていると言われています。原因は長引く不景気もあるでしょう。しかし、私には最大の原因は、大会を陰で支えるこれらスタッフの皆さんの陰の努力が適正に評価されず、それらの人々が次々と去って行ったことにより、大会そのものが立ち行かなくなってしまったせいではないかと感じました。
競技でなくても、ツーリング等カヌーの楽しみ方はたくさんあります。しかし、同好の士と交流できる楽しいイベントが今後益々無くなれば、カヌーに乗る人たちには目標が無くなり、やがてカヌーに乗る意欲も段々薄れ、更にカヌー人口は減少していくかもしれません。
だから、彼等を目にしたら全員には行き届かないでしょうけど、お茶の一つ、飴玉の一つ「気持ち」を差し上げてください。
何もさしあげるものがないのなら、一言「ありがとう」と感謝の言葉を伝えてください。
私に感謝の言葉を下さる方が毎年大勢おり大変励みになりますが、今年からそれは一切無用です。
お願いですからその気持ちは、どうかゲート審判やスターター、ゴール、集計その他選手の皆さんのために地道に働く人たちに「直接」伝えてください
今年は参加選手が180艇、前半後半合わせて6時間です。それらをずっと彼らは見続けるのです。表彰台に立つ事もないこの偉大な人たちを、どうか皆さん一人ひとりがどんな形でも構いませんので「表彰」していただけませんでしょうか。
低迷する日本のカヌー界を救うのは、世界で戦えるアスリートの誕生でも、資格制度でもなく貴方のほんの少しの優しさと感謝を伝える気持ちかもしれません。
|